大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和23(れ)784 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人上告趣意第一点について。

しかし、賭博の常習者というのは、賭博を反覆累行する習癖ある者を指すのであ

る。さればかかる習癖の認められる者である以上、仮りに所論のように、被告人が

小間物商を営み多額の営業税及び所得税を納め、その生業に多忙の日を送つてゐて、

本件犯行の動機が共犯者の誘悪によるものであるとしても、被告人を常習賭博者と

認定するに毫も妨げるところがない。そして原判決において常習の点について摘示

した前科の事実からして、原判決が被告人を賭博常習者と認定したからといつて、

何等実験則に反したかどはない。所論は結局事実審たる原裁判所の裁量権にのみ属

する賭博常習についての認定を非難するに帰するものであるから、上告適法の理由

とならない。

同第二点について。

憲法第三六条にいわゆる「残虐な刑罰」というのは不必要な精神的肉体的苦痛を

内容とする人道上残酷と認められる刑罰を意味し単なる量刑の不当をいうものでな

いことは、当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第三二三号同二三年六月二三日大法

廷判決)の示すとおりである。されば事実審たる原裁判所が刑法所定の刑をその範

囲内において量定した場合に、被告人の側から観てそれが過重の刑であるとしても、

これをもつて直ちに所論のごとく、憲法にいわゆる「残虐な刑罰」ということはで

きない。所論は結局事実審たる原裁判所の裁量権にのみ属する刑の量定を非難する

に帰着するものであるから、上告適法の理由とはならない。

よつて刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

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検察官 橋本乾三関与

昭和二三年一一月一八日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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